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COSMOS 第6号 / 1996年1月発行

こちらのページは佐久合氣道通信「COSMOS」コスモス(1993年7月から2002年10月刊行)に掲載されていた遠藤師範からのメッセージを抜粋して再掲載しております。

志学、而立、不惑、知命・・・

合気道佐久道場長 遠藤征四郎


 合気道佐久道場建設へ向けて3年前に発行を始めた佐久合気道通信「コスモス」も、昨年4月30日の道場落成式と祝賀会を報じた前号をもって支援者への活動報告という当初の役割は一応達成できたと思います。今後は佐久道場建設の趣旨にあるように紙面の充実を図っていかなければなりません。すなわち幅広い道場の活用、世界的視野に立った合気道実現のための紙面へと。

「四十才を過ぎたら自分の顔に責任をもたなければいけない」

「心はかたちを求め、かたちは心をすすめる」

 私たちの思想や学問は理屈っぽいといった段階から、だんだん物自体を動かす動的な力、つまり直感力のあるものになってくる。本に書いてあるのではなくその人の顔に書かれ、一挙手一投足、一言一行に現れるようになってこなければならない。その人の人相、その人の人格、あるいは言動や思想・学問が別々になっていてはまだまだ中途半端である。

 孔子は「吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず。五十にして天命を知り、六十にして耳順す、七十にして心の欲するところに従って矩をこえず」と年をとるに従って自己を完成して行く過程を明らかにしています。又「淮南子」という本の中に「年五十にして四十九年の非を知る」とか「六十にして六十化する」とあります。六十にもなると大抵変化しなくなる。固まってしまう。動脈硬化、精神硬化、人格硬化してしまうというのです。道を学んでいる者は六十にして六十化する、六十になっただけの変化をしなければならないと言っています。

 私は常々、合気道を自己確立への道であり、自己実現への道であると思って取り組んで来ました。道のりは非常に遠く感じられますが今までにも増す努力をしてゆかなければならないと思っています。(1996年1月)